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  • 2024年02月21日

薄いシミにレーザーは反応しない?薄いシミでも治せるレーザーをご紹介!

表参道美容皮膚科 副院長

三宅 真紀 医師監修

シミには薄いシミもあれば、濃いシミもあり、大きさも多種多様です。
薄いシミであればあるほど、すぐに取れると思いますか?
答えはNOです!
薄いシミは光治療器では取れず、しみ取りレーザーが必要になることが多いです。
今回は、薄いシミについて解説します。

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シミの種類と深さの違い


老人性色素斑(日光性色素斑)


加齢・紫外線の影響でできる茶色い色素斑で、数ミリのものから数センチの大きなものまで様々あります。
別名「日光性色素斑」と呼ばれ、顔や手の甲などの日光が当たる部分に発症します。
シミの多くはこのタイプにあたり、最もレーザー治療や光治療器の反応が良く、取れやすいのが特徴です。

雀卵斑(ソバカス)


遺伝的な要因で発生した細かい茶色の色素斑で、ソバカスと呼ばれています。
色白の人にできやすい傾向があり、幼少期から思春期にかけてよく見られ、鼻を中心として左右対称に、目の下や頬の上部に小さく散らばるようにしてできます。
年齢を重ねるごとに老人性色素班や肝斑なども混ざり、濃くなっていくこともあります。

肝斑


肝斑は、両頬や額、鼻の下などにできる薄茶色の色素斑で、左右対称・同じ大きさ・形で現れることが多いのが特徴です。
老人性色素斑は輪郭がくっきりしているのに対し、肝斑は全体的に境がはっきりしないぼやけた形で見えます。
更年期にさしかかり女性ホルモンのバランスが崩れがちな30代後半から50歳くらいの女性に多くみられます。

原因は諸説ありますが、妊娠や経口避妊薬(ピル)の服用との関係も指摘されており、女性ホルモンのバランスも影響しているといわれています。
ストレス、紫外線、摩擦刺激でも悪化することが知られています。
治療にかかる回数や時間もかかり、完治も難しい厄介なシミです。

脂漏性角化症(老人性のいぼ)


皮膚に盛り上がってできたイボ状のシミで、中年以降に出やすく、顔や首・体のいたる所にできます。
紫外線にあたる部位や摩擦が起こりやすい部位にできやすい傾向があり、早い人では20代からできることもあります。
この盛り上がりのシミは削るレーザーで治療することで取れます。

ADM


ADMはアザの一種で、10代後半ごろから灰紫色の色素が両頬などに左右対称で発生します。
真皮層(皮膚の深い層)にメラニンが沈着しているため、レーザー治療の回数がかかります。


薄いシミを治療するのが難しい理由


カウンセリング
なぜ薄いシミは治療するのが、難しいのでしょうか。
薄いシミだと肌の色により近いため、あまり色の濃淡がありません。
シミの除去に特化した光治療器やレーザーは、シミのメラニン色素にのみ反応させることで効果を発揮します。
そのため、シミと肌の色の濃淡が少ない場合は光治療器だと反応しにくくなります。
薄いシミにも反応させようとして無理にパワーを強くしてしまうと、顔全体に火傷を負ってしまい本末転倒です。

対してレーザーは、シミがある部分にのみピンポイントで治療できるため、出力を適正に設定・調節することで薄いシミも濃いシミにも反応させることができます。
そもそもシミはなぜレーザーで除去することができるのでしょうか。
シミは ターンオーバーなどで排出されなかったメラニン色素が集まり蓄積したもので、肌の中でも茶色や黒のような肌よりも濃い色をしています。
レーザーは、そのメラニン色素への選択性が高く、シミの部分にエネルギーを集めて熱を発生させ、メラニン色素を破壊します。破壊されたメラニン色素は、私たちの身体には老廃物とみなされ、 皮膚のターンオーバー(新陳代謝)によって、皮膚の深い箇所にあったものはリンパを通して排出され、表面に近い部分にあったものは肌の表面に押し出されてかさぶたになります。
そのかさぶたは一時的なもので、自然に剥がれはじめたあとに新しい皮膚ができていて、二次性の色素沈着を経て、シミは除去されます。

薄いシミにおすすめのレーザー治療


QスイッチYAGレーザー


Qスイッチヤグレーザー
「QスイッチYAGレーザー」は、532nmと1064nmの2つの波長のレーザーを切り替えて放射することができるため、一台で皮膚の浅い部分と深い部分の色素沈着を治療することができます。
メラニン色素に最も吸収の良い532nmは一般的なシミであれば、多くの場合1回で除去することができます。
また、太田母斑や扁平母斑などのアザの除去から、刺青・アートメイクの除去、そばかすやホクロの除去などを治療でき、さらに肝斑の治療として注目されている、レーザートーニングという治療も可能です。



フォトシルクプラス(光治療器)


フォトシルクプラス
「フォトシルクプラス」とは、500nm~950nmの波長の光治療です。
レーザー治療と比べてマイルドなので、治療後のダウンタイムが比較的短く、広範囲に照射することができます。
回数をかけて徐々にシミを薄くしていくとともに、肌全体の色ムラやくすみの改善も期待できます。
また、フォトフェイシャルなどの他の光治療器に比べて、メラニンの分解作用に優れているため、よりシミへの高い効果が期待できます。



アキュチップ(光治療器)


アキュチップ
「アキュチップ」とは、メラニン色素への吸収率が良い500〜635nmの波長を持つ光治療です。
照射面が6.35mmと小さいため、ピンポイントでのスポット照射が可能で、シミ以外の周辺組織にダメージを与えることなく、シミのメラニン色素を破壊し除去することが可能です。



シミの種類によっても適切なレーザー治療は異なる


老人性色素斑・そばかすの最適なレーザー治療


老人性色素斑やそばかす(雀卵班)は、「フォトシルクプラス」「QスイッチYAGレーザー」「アキュチップ」が最適です。
老人性色素斑は、大きいしみが所々にある場合やパラパラと大小のしみが広範囲に認める場合もあります。
そばかすは、細かくパラパラしたしみが鼻や頬にちらばっていることが多く、広範囲であることが多いため「フォトシルクプラス」で治療する場合が多いです。

全体的にしみがある場合の最適なレーザー治療


全体的にしみがあり、ダウンタイムも最小限に抑えたい方は、「フォトシルクプラス」や「アキュチップ」がおすすめです。
大きいしみが1つや2つであればダウンタイムは比較的長いですが「QスイッチYAGレーザー」がおすすめです。

肝斑に最適な治療


肝斑は、「レーザートーニング」「マッサージピーリング」「トラネキサム酸(内服薬)」「肝斑ポテンツァ」が最適です。
QスイッチYAGレーザーのようなしみ取りレーザー治療をすることで、それが刺激となって炎症が起こり、症状が悪化してしまう可能性があります。
そのため、悪化させることなく炎症が起こらないように治療することが必要です。

レーザートーニング

「レーザートーニング」は肝斑を悪化させることなく改善できるレーザー機器で、肌の浅い層(表皮)には影響を与えず、深い層(真皮層)に作用させ、回数をかけてメラニンを少しずつ減らしていき、肝斑を薄くする効果が期待できます。



マッサージピール


マッサージピールとは「マッサージピール」はケミカルピーリングの1種で、PRX-T33という薬剤を使用します。
主成分はTCA(トリクロロ酢酸)と過酸化水素です。TCA(トリクロロ酢酸)が皮膚の深層にまで浸透し作用することで、真皮層の繊維芽細胞を活性化しコラーゲン生成を促します。
その結果、ターンオーバー(新陳代謝)が促進され、肝斑として沈着しているメラニンが垢となって剥がれ落ちることで、肝斑が薄くなることが期待できます。



トラネキサム酸


トラネキサム酸「トラネキサム酸」は肝斑やしみに効く内服薬で炎症を抑える働きがあります。
紫外線やホルモンバランスなどの外的・内的な刺激によって炎症が起こることでメラノサイトが活性化し、肝斑やしみの元であるメラニンが生成されます。
そのため、トラネキサム酸を服用することで、炎症が抑えられメラニンが生成を抑えることで、肝斑の改善が期待できます。

肝斑ポテンツァ

「肝斑ポテンツァ」はニキビ跡や毛穴にも効果的なポテンツァという最新の治療機器を肝斑専用治療にも使うことができます。ポテンツァのマイクロニードルから出るRF(ラジオ波)によって、メラニンを生成するメラノサイト周辺に熱エネルギーが作用することで、メラノサイトの過剰な働きを抑える効果があります。



まとめ


シミには大きさも濃淡も含め色々なタイプがあり、どのタイプかによってどの治療が適しているかが異なります。
特に薄いしみやしみは、フォトシルクプラスやアキュチップでは取り切れないことが多く、最終的にはしみ取りレーザーでの除去がおすすめです。
また、しみの治療中や治療後のケアも大切です。
安心して治療を受けていただくには、しみのタイプやどの治療を選択すべきかを的確に診断でき、治療技術が高く、経験豊富で信頼できる医師に相談することが、キレイになる一番の近道です。
シミでお悩みの方は、ぜひご相談ください。
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