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  • トレチノインの使用で色素沈着が悪化することがある?失敗事例について

  • 2023年02月18日

トレチノインの使用で色素沈着が悪化することがある?-失敗事例について

表参道美容皮膚科 副院長

三宅 真紀 医師監修

お肌がキレイで実年齢よりもずっと若く見える人、その人はトレチノインを始めているかもしれません。
今まで、しみ・しわ・ニキビ・色素沈着といったお肌の悩みを解決するためには、レーザーや光治療、注入、ピーリングなどが主流でした。
その常識を覆したのがレチノイドという薬剤です。
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レチノイドとは


レチノイドはレチノール、レチナール、トレチノインの総称でビタミンAのことです。
ビタミンAは、もともと身体に存在している成分で、肌を健やかに保ってくれる役割があります。
「レチノール(ビタミンA)」 → 「レチナール」 → 「トレチノイン(ビタミンA誘導体)」と身体の中で変換されます。

トレチノインはレチノールと同じようでいて、効果の程度がかなり異なり、レチノールより圧倒的に効果が高いです。
トレチノインによって表皮の細胞が盛んに作られることでターンオーバーが促進され、新しい肌に入れ替わります。
そのため、メラニンが沈着している状態のしみや色素沈着が押し上げられ、古い角質の垢となって剥がれ落ちるため、美白効果も期待できます。
また、真皮層でのコラーゲン生成も促進され、若々しい弾力のある肌や小じわにも働きかけ、ハリ・ツヤのある美肌へ導く画期的な美容治療です。

レチノイドの副作用について


トレチノインは高い効果が得られる反面、比較的副作用も強いため、ドラックストアや一般の化粧品には入っていません。
医師がいる病院やクリニックで診察を受け、使い方や副作用を十分ご理解いただき、使用開始後も定期的に診察を受けることが必要です。
副作用が強いと聞くと、怖い薬なのかな?と不安になりますが、どんな薬剤でも副作用はつきものです。
逆を返せば、副作用がないということは効果もその程度ということになります。

副作用よりも、美肌への効果が高く期待できるのであれば、やはりメリットが高いと言えるでしょう。
とはいえ、適当に使用すると、予期せぬ副作用が出でしまうことがあります。
また正しく使用しても、個々の体質やその時々の肌の状態によっては、通常よりも強い副作用がでることもあります。

トレチノインの使用によって強い炎症が起こると、結果として色素沈着になることがあります。
今回は、トレチノインの使用によって色素沈着となってしまったり、元々あった色素沈着が悪化してしまう原因についてご説明します。

色素沈着とは?


色素沈着とは、肌の一部の色が濃くなったり、黒ずんだりする現象のことで、濃い色、薄い色、茶色っぽいものや、黒っぽいもの、青みがかったものなど、さまざまな色をしているのが特徴です。
さまざまな刺激誘因物質によって表皮細胞が刺激を受けると表皮の基底層にあるメラノサイトからメラニンと呼ばれる色素が産生されます。
通常、ターンオーバーによって剥がれ落ちますが、そのまま沈着することにより色素沈着となります。
色素沈着の多くはメラニンが大量にたまることによって発生します。

色素沈着の原因


紫外線


メラニン色素は紫外線から肌を守るはたらきを持っているため、紫外線の刺激でメラニンの産生が過剰になります。

炎症


皮膚に炎症が起きるとメラノサイトが活性化し、色素沈着の原因であるメラニンが産生されます。
摩擦や火傷などの怪我などによっても炎症が引き起こされるため、炎症後の色素沈着となります。

女性ホルモン


30代以降の女性に多い肝斑は、女性ホルモンの乱れ・摩擦・紫外線・ピル・妊娠・ホルモン剤などが刺激となり、メラニンが産生され症状が悪化するといわれています。

ターンオーバーの乱れ


ターンオーバーとは表皮や角層などで起こる細胞の生まれ変わりのことをいいます。
色素沈着の原因となるメラニンはターンオーバーにより垢となって剥がれ落ちます。
通常、ターンオーバーのサイクルは約28~56日ですが、さまざまな要因によってターンオーバーの速度は遅くなります。
特に加齢による影響が大きく、20代では約28日ですが、60代では約100日と3~4倍の時間がかかるといわれています。
また、生活習慣の乱れ、不適切なスキンケア、乾燥などもターンオーバーの乱れに影響します。

トレチノインの使用で色素沈着が悪化することがある?


トレチノインは正あるいは負の調整作用が発現する生理活性作用も強いため、レチノールと比べて肌への効果も高いですが、副作用もでやすいです。
レチノールの生理活性の強さを1とすると、トレチノインはその50倍から100倍の強さがあるといわれています。
トレチノインの副作用としては、赤み・ヒリヒリ感・皮剥けなどで「レチノイド反応」と言われています。
この「レチノイド反応」は通常の過程で通らざる得ないものですが、副作用が著しく強く出てしまった場合に『炎症後の色素沈着』となることがあります。
通常はトレチノインを使用することで、表皮の細胞をどんどん分裂・増殖させ、皮膚の再生を促すため、色素沈着を改善していく効果が期待できます。

しかし、「レチノイド反応」が強く出すぎると、強い炎症が生じてしまい、炎症後の色素沈着になってしまいます。
また、もともと炎症後の色素沈着がある場合、トレチノインの使用によって強い炎症が生じることで、もともとの色素沈着を悪化させる可能性もあります。
炎症後の色素沈着は、時間の経過とともに治まることが多いため、炎症に炎症を重ねた部分は、通常よりも時間はかかりますが、悪化した色素沈着も治ることが多いです。
このような予期せぬ副作用を極力避けるために、まずは腕の内側、次に顔の側面など部分的にトレチノインを使用し、肌の様子を確認してから徐々に範囲を広げていきましょう。

トレチノインでその他の失敗事例


トレチノインでその他の失敗事例

ピーリング作用のある化粧品や薬剤を使用している


ピーリングとは古い角質を除去するケアのことです。
トレチノインと似た作用をもつアダパレン・グリコール酸・レチノール製剤を使用していると、すでに肌がピーリングされている状態で、それに加えてトレチノインを使用することで、より角質層が薄くなるために作用が強く効きすぎてしまい、レチノイド反応が必要以上に強く起こってしまうことがあります。

トレチノインと似た作用をもつ薬剤を使っている場合は、その化粧品や薬剤を1~2週間以上中止してからトレチノインを使用しましょう。

個人輸入品のトレチノイン


日本でトレチノインを使用するためには医師の処方が必要ですが、海外では販売している国もあるので、個人輸入品を購入することができます。
しかし、海外の製品は日本人向けに作られているわけではなく、製品自体の安全性も不確かであるため、予期せぬ副作用が起こるリスクがあります。

何かトラブルが起こってしまった場合の相談窓口もなく、適切な対応や処置もできないため、個人輸入品の使用は避けた方が良いでしょう。

日焼けをしてしまう


トレチノインは、皮膚のバリア機能を一旦壊すため、紫外線や乾燥によるダメージを受けやすくなります。
保湿・紫外線対策を怠ると、乾燥肌が悪化したり、シミが増えたりする可能性があります。

日焼け止めや日傘、帽子、サングラスなどで対策をして、紫外線から肌を守りましょう。

皮膚の摩擦


トレチノイン使用中は、皮膚がいつもより敏感になっているため、皮膚の摩擦によって炎症が起きやすくなります。

洗顔・クレンジング・メイク・タオルで顔を拭く、鼻をかむときなど、皮膚をこすらないよう気を付けましょう。
また、乾燥も皮膚への刺激になるため丁寧な保湿を心がけましょう。

肌が荒れている


花粉症やアレルギー、化粧品など、肌が荒れてしまう原因は多岐にわたりますが、肌が荒れているとバリア機能も正常に働いておらず、より肌が荒れたり、トレチノインの副作用が強く出てしまう可能性があります。

花粉症の時期だけ肌荒れしてしまう場合、その時期はトレチノインの使用を避けましょう。
化粧品で肌が荒れている場合は、肌に合う化粧品に変更し、通常の肌の状態に戻ってから使用しましょう。

副作用の低いトレチノインを選びましょう


当院はNANOEGG🄬製剤の副作用が少ないトレチノインを用意しています。
NANOEGG🄬製剤のトレチノインは、カプセル化&独自の安定化技術により、トレチノインの作用がゆっくり長く効くため、通常のトレチノインよりも肌への効果がより高く、副作用である炎症は少ない処方となっています。
また、通常2~3か月使用後は1か月の休薬期間を設ける必要がありますが、NANOEGG🄬製剤のトレチノインは使い続けることができるので、常に美肌を維持することができます。
もともとお肌が弱い方や副作用が心配な方は、よりマイルドなNANOEGG🄬製剤のレチノールから始められると安心です。

レチノールがトレチノインに変換されて効果を発揮するため、作用効果がトレチノインよりも穏やかです。
NANOEGG🄬製剤のトレチノインも通常のトレチノインよりも副作用が少ないですが、段階的にトレチノイン療法を取り入れることで、予期せぬ副作用を回避しやすくなります。

料金


内容商品名料金
トレチノインobcトレチノインクリーム0.05% 5g1本 2,750円(税込)
obcトレチノインクリーム0.05% 15g1本 6,380円(税込)
レチノールobcレチノピュア・ナノ 16g6,600円(税込)

まとめ


ハリ・ツヤ感はもちろん、しみ・しわ・毛穴の開きや黒ずみ・ニキビ・ニキビ跡などのさまざまな肌トラブルに加え、アンチエイジングや美白効果も期待できる美肌に万能なトレチノイン。
しかし、使い方を誤ると予期せぬ副作用が起こることもあり、有効性が高い反面、取り扱いが非常に難しい薬剤の1つです。
医療機関で医師の判断のもと、トレチノインを処方してもらい、定期的な診察で肌の状態を確認しながら治療を進めることで、副作用を最小限に効果を最大限にすることも可能です。
信頼できるクリニックにぜひ相談してみて下さい。

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