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  • トラネキサム酸は美白効果に期待できる!摂取方法や副作用・注意点も解説

  • 2023年09月15日

トラネキサム酸は美白効果に期待できる!摂取方法や副作用・注意点も解説

表参道美容皮膚科 副院長

三宅 真紀 医師監修

シミの一種でもある肝斑(かんぱん)に効果がある成分として人気の「トラネキサム酸」。
聞いたことはあるけど、効果や副作用がよくわからないという方も多いかと思います。
このページでは、トラネキサム酸はどういうお薬なのか、美容効果について解説します。

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トラネキサム酸とは?


トラネキサム酸とは?
トラネキサム酸(トランサミン)はアミノ酸の一種で、喉が痛いときや炎症をおさえる効果、止血効果があり、長年、医療の現場で処方されている一般的なお薬です。
1979年に肝斑の改善の効果が報告されたことで、肝斑の治療薬として使用されることになりました。
さらに2002年に医薬部外品の美白有効成分として厚生労働省に承認され、現在は美容医療の現場などで広く使われています。


トラネキサム酸の主な効果効能


トラネキサム酸は、炎症を引き起こす生体内の酵素「プラスミン」を抑制する「抗プラスミン作用」を持っています。
このプラスミンは炎症反応やアレルギーにも関わっているため、トラネキサム酸がその働きを弱めることで、炎症反応やアレルギーをおさえることができます。湿疹やじん麻疹などの症状がある場合にも処方されています。
プラスミンには、血が固まるのを止める働きもあります。出血した時には、出血部位を塞ぐために血小板が集まり、出血がとまります。
血管の破れが保守され血管内には血栓が残ってしまうのを溶かし、血液の流れを正常化するのがプラスミンの働きです。
プラスミンの働きを抑制する効果は、他にも、生理時に月経過多の人にも、経血量が減るという効果があります。
そのほか、喉の腫れ、口内炎の治療薬や歯周病向けの歯磨き粉などさまざまなところで使われています。

美白効果もある理由


トラネキサム酸が美白効果もある理由
トラネキサム酸には、シミや肝斑の原因となるメラニン色素の生成を抑える作用、炎症を抑える作用があり、これにより美白効果が期待できます。

紫外線を浴びたり、女性ホルモンなどによって皮膚が刺激されると、プラスミンが産生され、シミや肝斑の原因となるメラニン生成を促進する「メラノサイト」が活性化されます。
この初期の段階でプラスミンの生成を抑えてくれるのがトラネキサム酸です。
日焼けや傷、ニキビなどで炎症が起きてしまったときにも、この効果によって炎症を抑え、色素沈着を防ぎます。

またトラネキサム酸は、メラニン色素活性化因子の一つと考えられている「プロスタグランジン」という物質の働きを抑える働きもあります。シミ・肝斑・老人性色素斑・ニキビ跡や傷などの色素沈着が改善し、メラニン色素ができてシミができるのを予防することが可能で、美白効果も発揮します。
トラネキサム酸による内服は、効果を実感し始めるのは、およそ3ヶ月頃からといわれており、継続することが重要で長ければ長いほど効果を発揮します。

シミや肝斑・炎症後色素沈着の予防や改善に効果的


女性ホルモンや紫外線、摩擦など皮膚に様々な刺激を受けることによって、メラノサイト活性化因子がメラノサイトに作用し、メラニンの産生を促すために肝斑が発症すると考えられています。
トラネキサム酸は、プラスミン生成を抑えてくれる作用を持つ成分で、肝斑の改善過程に際しても、とても重要な役割を果たしていると考えられています。
炎症が起きた箇所を治すために体はメラニン色素を生成しようとするのですが、トラネキサム酸が炎症を抑えることでシミや色素沈着ができづらくなります。

当院では、肝斑の改善・予防、レーザー治療を受けられた方の色素沈着予防のために、服用されている方が多いです。
特にQスイッチヤグレーザーを受けられた方は、照射部位に炎症後色素沈着が生じやすいので、服用をおすすめしております。またニキビや日焼けで炎症が起きてしまったときにも、炎症を抑え、色素沈着を防ぎます。

トラネキサム酸の摂取方法と選び方


トラネキサム酸の摂取方法と選び方

飲み薬以外にもスキンケアで取り入れることも可能


トラネキサム酸は、お薬として飲むだけでなく、スキンケアに取り入れて、シミや肝斑のある部分やお顔全体に塗ることもできます。飲んで、塗って併用することで、さらに美白ケアは効果的になります。
当院では、資生堂のドクターコスメ「ナビジョン」のトラネキサム酸入りの日焼け止めの取り扱いがあります。

一般用医薬品(OTC医薬品)と医療用医薬品の違い


医薬品と市販品の含有量の違い


トラネキサム酸は、薬局などで購入できる市販薬と医師の診察を受けて処方される医療用医薬品があります。
成分は同じトラネキサム酸が配合されていますが、どのような違いがあるのでしょうか…。

まずは大きな違いとして、トラネキサム酸の含有量が、処方薬のほうが市販薬よりも多いという特徴があります。
市販薬では、最大でも成人1日量に含まれるトラネキサム酸の成分量が750mgに対して、処方薬は1日750~1,500mgとなっており、服用量の範囲が多くなっています。
医薬品は、含有量が市販薬に比べ2倍以上あり、効果が高いため、効果を求める方にはクリニック処方の医療用医薬品をおすすめいたします。
市販薬に比べると成分の含有量が高いため、副作用にも注意が必要で、医師の処方のもと、購入が可能になります。
市販薬ではトランシーノという名称で販売されているのが一般的で、薬局などで手軽で入手でき、手に入りやすいというメリットがあります。その反面、市販薬は、内服方法を自己流にして、何かあったときには自己責任となりますので、必ず決められた用法・容量を守って使用するようにしてください。

トラネキサム酸の副作用と注意点


トラネキサム酸の副作用


トラネキサム酸は、喉の痛みや口内炎、湿疹・アレルギーなどの薬として使われることもあり、副作用のリスクが低い成分ですが、体質により副作用が生じる場合があります。
トラネキサム酸で考えられる副作用は以下の通りです。

最も多いものは「食欲不振」「腹痛」「吐き気」「嘔吐」「胸やけ」などの消化器症状です。
頻度は0.1~1%と少なく、0.1%未満に過敏症(発疹等)その他・眠気・皮膚の痒みや湿疹・めまいなどがあげられますが、基本的に副作用が起きる確率は低く、安全性の高い薬品とされています。

副作用の中で、特に注意しなければならないのは血栓です。
トラネキサム酸は止血剤でもあるため、血栓ができやすくなることがあります。
血栓系の疾患がある方、血栓ができやすい方や、血液をかたまりやすくする、もしくはサラサラにする薬を使用している方は注意が必要です。
なんらかの違和感や変化を感じた場合は服用を中止し、医師に相談してください。

トラネキサム酸の注意点


トラネキサム酸は副作用が出るリスクが低い物質ではありますが、脳梗塞や心筋梗塞など血栓系の持病や既往のある方、服用することで、血栓ができやすくなる可能性があります。
持病がある場合や他の薬を飲んでいる方は、服用前に必ず主治医に相談してください。
またコレステロール値が高い方や、ピル等の経口避妊薬を飲んでいる方・喫煙中の方は血栓のリスクが高まる可能性がありますので、服用は控えて頂いております。

トラネキサム酸の料金


1か月分(28日分)の料金は、1日2回か2回かで料金が異なります。

1日3回 1錠ずつ2,200円(税込)
1日2回 2錠ずつ2,750円(税込)



トラネキサム酸でよくあるご質問


トラネキサム酸でよくあるご質問-

トラネキサム酸と飲み合わせてはいけない薬はありますか?


一部の血液を固めるお薬を使っている方(トロンビン・ヘモコアグラーゼ・バトロキソビン)凝固因子製剤は服用を控えて頂いております。またピル等の経口避妊薬を飲んでいる方も注意が必要ですので、主治医にご相談ください。

トラネキサム酸は飲み続けても大丈夫ですか?


トラネキサム酸を飲み続けることは、基本的に問題があるわけではないとされており、飲み続ける期間についても、明確には定められていません。
ご心配な方は一定期間の休薬期間を設けたり、定期的な採血など検診を受けられることをおすすめしております。

どのくらい飲めば効果を実感できますか?


まずは3ヵ月以上~6ヶ月の服用をおすすめしてます。
毎日継続的に飲み続けることで、シミや肝斑などの色素沈着の予防効果に期待できます。

トラネキサム酸を飲むのをやめるとシミが増えますか?


トラネキサム酸の服用をやめると、シミや肝斑の症状が戻って増えてしまう可能性があります。
抑制されていたプラスミンの作用が働き始め、メラニンの働きが活性化されてしまうためです。

トラネキサム酸を服用すると白髪が増えますか?


トラネキサム酸の服用によって白髪になるという、医学的根拠はありません。
現状では、トラネキサム酸の内服による白髪のリスクは心配しなくてよいと言えるでしょう。


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