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しみ取りレーザー治療後の赤みはいつまで続く?消えるまでの期間と適切なケア方法
2023年09月25日
表参道美容皮膚科 副院長
三宅 真紀 医師
監修
しみ取りレーザーはレーザー光による強いエネルギーを使って、しみのもとであるメラニン色素を破壊します。
しみ取りレーザー後は一時的に「赤み」や「かさぶた」などが生じます。
初めてのしみ取り治療後は、何かと不安に感じる事が多いですよね。
今回は、しみ取りレーザー治療後の赤みがいつまで続くのか、赤みが消えるまでの期間や適切な処置などとともに、しみを綺麗に消すためのポイントも含めて解説します。
しみ取りレーザー治療後の経過で理解しておくべきポイント
ポイント
・赤みが出る
・かさぶたができる
・炎症性色素沈着になる
レーザーで治療を行った後は、ほとんどの場合でこの症状が出ます。
ただし、これらの症状は治療に失敗したわけではなく、あくまでシミ取りの経過であるためご安心ください。
赤みができる
しみ取りレーザーの照射後~2、3日は、赤みが出ます。
これは、レーザーによって肌が軽い火傷状態になっているからです。
この期間は、炎症止めの薬でケアをします。
時間の経過とともに落ち着いてくるので、心配する必要はありません。
赤みはいつまで残る?
ほとんどの場合、赤みは数日で落ち着きます。
人によっては1週間以上残ってしまう場合もありますが、心配する必要はありません。
赤みについては、時間経過と共におさまっていきます。
個人差が大きいですが、だいたい1か月過ぎる頃には少しずつ赤みは目立たなくなり、早い方だと周囲の肌になじんでほとんど地肌になる方もいらっしゃいます。
患部を触らず、刺激を与えないようにしておきましょう。
皮下出血が生じる場合がある
レーザー照射後は、皮下出血が生じる場合があります。
ほとんどの場合、皮下出血ができても数日で消えるので、心配する必要はありません。
もし皮下出血が消えない場合は、施術したクリニックに相談してください。
かさぶたができる
レーザー照射後は、翌日から数日にかけてかさぶたができます。
人によってはかさぶた自体ができなかったり、擦り傷の時のようなかさぶたにならないこともあります。
シミの状況などによっても差が出るので、そこまで心配する必要はありません。
かさぶたが早期に剥がれてしまうと色素沈着の期間が長引く
かさぶたが早期に剥がれてしまうと、結果的に少しダメージが強くなりますので、通常の経過よりも炎症性色素沈着がより濃く出たり、色素沈着の期間が長引きます。
よって、完成までのアフターケアの時間が余計にかかってしまう可能性があるのです。
無理にかさぶたを取らないように気をつけ、自然に剥がれるのを待ちましょう。
赤みが消えた後は炎症性色素沈着になる
レーザー治療後は、強い炎症が起こり、一時的に色素細胞が活性化され、色素沈着を起こす場合があります。(戻りしみ)
通常は半年以内、長くても1年以内には自然消失するのが一般的です。
特別に珍しい症状ではないので、そこまで心配する必要はありません。
しかし、肝斑がある場合や、受けたダメージの状況、アフターケアの仕方によっては長く残存してしまうこともあります。
そうならないために、必要に応じて適切なアフターケアをしていくことが重要になります。
炎症性色素沈着とは?
炎症性色素沈着とは、消えかかったしみが濃くなったり、患部が黒ずんだように見えたりする症状です。
発生機序は完全に明らかにされていませんが、炎症によって生じるシグナルが色素細胞を活性化させることが原因だと考えられています。
色素細胞が活性化し、メラニン色素が活発に産生されると、お肌が本来備えている色素の代謝機能の能力を超えてしまい、表皮にメラニン色素が溜まった状態になるため、しみが発生したように見えます。
原因である炎症が治まれば、メラニン色素の産生も正常化していきお肌の代謝機能により色素沈着は徐々に薄くなっていきます。
経過で赤みが出たときの対策
しみ取りレーザー後、赤みが出るのは珍しい症状ではありません。基本的には数日で治まります。
赤みが出た場合は、刺激を与えないようにすることが大事です。
刺激を与えてしまうと、肌にダメージを与えてしまいます。
触ったりこすったり、日焼けしないようにしたり、とにかく刺激を与えないようにしましょう。
また、赤みが引いた後も、油断してはいけません。
赤みが引いただけで、施術後の肌はまだナイーブな状態です。
赤みが引いた後は二次性の色素沈着が起こりやすい状態なので、美白ケアも同時に行っておきましょう。
赤みが長引く場合は?
もしも照射部位に赤みだけではなく水ぶくれができたり、赤みが長引いたりした場合は、早めに診療を受けてください。
通常のしみ取りレーザー以上の炎症が起こっている可能性があります。
数日は様子見で良いですが、少しでも不安になる場合は、一度施術したクリニックに相談してください。
赤みや色素沈着を早く治すためのケア方法
冷却や保湿を適切に行う
しみ取りレーザーを受けた後の肌は、軽い火傷を起こした状態になっています。
冷却により、患部の炎症、腫れを抑え、症状の悪化を防ぎ、痛みも和らげることが出来ます。
また、レーザー治療後の皮膚は、外部刺激を受けやすくなっています。
肌のバリア機能を失った真皮を守るためにも、保湿がとても大切になります。
レーザー治療後に、患者様の希望によっては、保護テープを貼らないこともありますので、そういった場合は、保護テープの代わりに高品質のワセリンなどを塗布して患部を保護することが理想です。
かさぶたをはがさない
レーザー照射で熱ダメージを受けた患部は、軽い火傷の状態と言えます。
レーザーのダメージは、皮膚の表面に限定されるため、通常の治療経過においては、傷痕が残ることはありません。
しかし、治療後にさらなる無用なダメージが加わった場合、受けたダメージの程度によっては色素沈着が強く出現したり、ひどい場合には傷あとを残してしまう可能性があり、これらを防ぐことが何より重要です。
レーザー治療後は、患部を外部の刺激から保護する目的でテープ保護する場合があります。
患者様のご希望がある場合、状況によってはテープを貼らないこともあります。
ケア方法が若干異なります。
保護テープを貼る場合
基本的には、保護テープは貼りっぱなしです。
テープを付けたり貼ったりし過ぎると、患部にダメージが加わってしまうため、テープが剥がれないよう優しく洗顔してください。
医師に指示された期間が過ぎましたら、テープをそっと剥しますが、かさぶたも一緒に剥がれ落ちて、ピンク色の新しい皮膚になっていることが多いです。
しかし、かさぶたがついたままの状態の場合もあります。
万が一、患部に熱感や赤み、痛みなどが強く出てきた場合は、細菌感染が考えられますので、
テープをそっと剥して、ぬるま湯などでよく流して頂きます。
この場合には、早めに診察に来て頂いた方がよいです。
保護テープを貼っていない場合
治療直後から数日は、患部が完全なかさぶたになっていない可能性があり、この状態での洗顔やメイクは、患部に大きな負担をかける可能性があります。
できればメイクは避けていただき、ぬるま湯で優しく流す程度にして、洗顔料を用いた洗顔は避けた方が無難です。
テープの代わりに高品質のワセリンを塗布して患部を保護し、できるだけ強く擦らないよう注意してください。
治療後3~4日以降は、かさぶたが完成した状態になります。
この状態になったら、軽いメイクや洗顔をしても大丈夫なことが多いです。
ただし、かさぶたを剥がしてしまわないようそっと優しく扱ってください。
クレンジングの際には、メイクを完全に落とすことよりも、かさぶたを剥さないことを優先させてください。
マスクをされる場合などは、マスクにより擦れてかさぶたが剥がれてしまわないように注意してください。
顔の場合は長くても2週間以内で、通常は自然に剥がれ落ちます。
身体の場合はそれより長引く傾向があります。
テープを貼るにしても貼らないにしても、とにかく早期にかさぶたが剥がれないよう十分に注意する必要があります。
赤みを触らない
治療後約1〜2週間でかさぶたが取れてピンクの新しい皮膚になります。
かさぶたが取れた肌は、まだナイーブな状態です。
バリア機能が低下した肌が、紫外線ダメージから守ろうとメラニン色素を作り出していきます。
赤みが引いた後は炎症性の色素沈着が起こりやすい状態なので、刺激を避けることが重要になります。
特に擦る刺激(摩擦)には注意が必要です。
色素沈着を気にするあまり、無意識のうちに触ったり擦ってしまっている状況をよく目にします。
擦る刺激は、微小な炎症を起こし、色素沈着を悪化させます。
外用薬を塗布する際も、強く擦り込むと刺激になりますので、優しく塗ってください。
また肌質が弱くて赤みが引きにくい方でもソフトレーザーをあてたり、角質を浸透するビタミンC・Eを用いるなどの工夫をしていくと、次第に赤みは無くなっていきますので心配はいりません。
施術後の日焼け対策を行う
かさぶたが取れた肌は、ピンクの新しい皮膚になっています。
バリア機能が低下した状態となっているため、普段よりも紫外線ダメージを受けやすく、対策を怠るとメラニン色素が生成されて、色素沈着(戻りしみ)が起こりやすくなります。
赤みが引いた後は炎症性の色素沈着が起こりやすい為、美白ケアが大切になる時期です。
かさぶたが剥がれた後から、結果を左右する大切なステップが始まります。
屋内外に限らずに、日中は日焼け止めクリームを欠かさず塗るように心がけてください。
SPFやPAの値が高いほど、紫外線対策には効果的ですが、肌への負担も高まってしまいます。
肌の乾燥が気になる方は、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が配合された日焼け止めを選ぶのも良いでしょう。
特に冬場は乾燥しやすくなるため、化粧水や乳液などのスキンケアに加え日焼け止めでの保湿も意識することで、色素沈着の発生や悪化を防げるでしょう。
当院のドクターズコスメ『
UVプロテクター
』は、UVケアと同時に美白とエイジングケアができるノンケミカル処方の日焼け止めです。
レーザー治療後も安心して使える、3種類の抗炎症成分も配合しています。
SPF37/PA+++で、クレンジングも不要、お肌への刺激を最小限に抑えられるため、レーザー治療後は必須アイテムとなる日焼け止めです。
しっかりと紫外線対策を行い、炎症性の色素沈着予防に努めましょう。
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外用薬を使用
炎症性色素沈着は3~4ヶ月で自然消失するのが一般的ですが、さまざまな要素により長引いたり、自然消失しにくい事もあります。
レーザー照射により、色素細胞は確実に活性化していますので、これを抑えることが、色素沈着やしみの再発を防ぐうえで重要になります。
美白成分やトラネキサム酸の内服、肌の新陳代謝を上げるトレチノイン、塗り薬での反応が鈍い場合にはレーザートーニングを部分的に照射するといった方法もあります。
ただし、色素沈着が出ている場合は、外用薬をよりしっかり効かせようとして、大量に塗布したり、塗布の際に強く擦りこんでいるケースが多いです。
この行為も患部には刺激となりますので、少量を患部に優しく乗せるように塗布してください。
炎症性色素沈着を起こしていない場合でも、3か月ほど外用薬を使用することをおすすめしています。
まとめ
しみ取りレーザーによる赤みは、レーザー後の通常の肌の反応なので、必要以上に心配しなくても大丈夫です。
通常であれば、赤みができても、数日から数週間で治まります。
ただし、赤みができている部位は、デリケートな肌になっているので、触ったりこすったりなどの刺激を与えないようにしましょう。
赤みが長期間続く場合や水ぶくれができる場合については、施術を行ったクリニックで診てもらいましょう。
しみ取りレーザー後、綺麗に治すポイント
・レーザーによってダメージを受けた患部にさらなるダメージを与えないこと
・患部のダメージを最小限に留め、なるべく炎症性色素沈着(戻りしみ)を生じさせないこと
・出現した炎症性色素沈着(戻りシミ)を残さないようにすること
・しみの再発を防ぐこと
しみ取りレーザー治療はアフターケアが重要になります。
このポイントを満たすことで良い結果が得られます。
ただし、一度しみになった部分は、生涯、しみができやすい肌状態であることは変わりません。
UVケアは最低必要ですし、年に数回でも、クリニックでメンテナンスケアをお勧めしています。
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