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  • ミルクピールは毛穴・ニキビ・しみに効く?効かない場合の対処法を解説!

  • 2022年06月14日

ミルクピールは毛穴・ニキビ・しみに効く?

表参道美容皮膚科 副院長

三宅 真紀 医師監修

今やケミカルピーリングはたくさんの種類がありますが、その中でもミルクピールは圧倒的なハリ・ツヤ感をすぐに実感できるという理由から根強い人気があります。
また、続けることで多くの人が悩んでいる、「毛穴の開きや黒ずみ」「ニキビ・ニキビ跡」「しみ・くすみ」などを改善し、美肌へ導いてくれるというから驚きです。

これらの悩みを解消できるのであれば、ミルクピールは夢のような施術ですが、本当に改善できるのでしょうか?
本当だとすれば、レーザー治療などは必要なくなりますよね。
そこで今回は下記について、解説していきます。

今回のテーマ
1. そもそもミルクピールとは何か?
2. なぜ「毛穴・ニキビ・しみ」に効くのか?
3. ミルクピールでは効かない場合とその対処法
表参道美容皮膚科 公式ライン

ミルクピールとは?


ミルクピールとは
ミルクピール(Milk Peel Treatment)は、フランスで20年以上の歴史を持つDERMACEUTIC社が開発したケミカルピーリングです。
「グリコール酸」「乳酸」「サリチル酸」の3つの酸を配合して使用することで、古い角質を取り除いて肌のターンオーバーを正常化させる他、それぞれが違う酸の効果を最大限に発揮するため、高い効果が期待できる次世代のピーリングといわれています。

3つの酸の働きについて


「グリコール」


グリコール酸は、サトウキビやブドウなどから抽出されたフルーツ酸です。
フルーツ酸の中では酸の分子が小さいので皮膚の奥深くまで浸透し、組織の働きを活性化させます。
グリコール酸の主な働きは角質の除去で、不要な組織を取り除くことで肌質を改善します。
また、グリコール酸は保湿に関わる有効成分という研究結果も出ていて、皮膚のヒアルロン酸の生成を促し角質層の保湿効果を向上させ、細胞の入れ替えを促進しコラーゲンとエラスチン生成を刺激することで皮膚組織の弾力性を保つ繊維に働きかけます。

「乳酸」


乳酸は保湿とpHの調整に使用されますが、抗菌性や脱色性、そして保湿効果を持ちます。
乳酸は水をとらえる能力があるため保湿効果を持ちます。
また、皮膚組織内ではケラチノサイトによる保湿に重要なセラミドの生成を向上させます。
そして、乳酸はチロシナーゼという酵素を抑制することで皮膚の脱色を促します。
さらにα-ヒドロキシ酸として角質層における細胞の結合力を向上させるため、肌の凹凸を減少させます。

「サリチル酸」


サリチル酸はコレステロール硫酸起点酵素の活動を阻害することにより角質細胞間の結合力を減少することで角質溶解効果を生み出し、角質を剥離させます。
サリチル酸は角質溶解の特性に加えて、静菌性、殺菌性、光防護性や痒み止めといった特性を持っています。
また、角質層のpHを減少させるため、皮膚の保湿力を向上させ、角質溶解作用を促進します。
サリチル酸は不要な皮膚組織を取り除くのに非常に効果的で乳酸を皮膚の深部まで浸透させるのを助けます。

ミルクピールの効果
・しみや小じわなどが生じた古い皮膚表面を取り除く
・しみや小じわのない理想的な新しい皮膚表面が再生される
・表皮(皮膚の浅い層)の細胞活性化
・メラニン色素の抑制
・真皮(皮膚の深い層)でコラーゲン生成
・保湿効果
・皮膚のバリア機能が一時的に弱まるので、基礎化粧品などの美容成分の浸透が高まる

つまり、サリチル酸で角質を柔げ、グリコール酸が奥まで浸透しお肌を活性化させ、乳酸によって美白効果をもたらします。
ターンオーバーを正常化することで、どんどん新しいお肌を作ってくれるため、小じわ・くすみ・色むら・色素沈着を改善。
また、古い角質を取り除き、凹凸を改善することで、ハリのある艶やかでキメが整った肌に導きます。



なぜ、毛穴・ニキビ・しみに効くの?


なぜ、毛穴・ニキビ・しみに効くの?

毛穴


毛穴は、肌の奥から伸びる体毛を含む毛包管が肌表面で開いたもので、皮脂を分泌する皮脂腺も付随しています。
顔は特に毛穴の数が多く、毛包管も皮脂腺も大きいのが特徴です。
また、外的刺激を最も受けやすく、肌にとっては過酷な環境なため、毛穴が目立ちやすいです。

毛穴のトラブルにはどのようなものがあるのでしょうか?


毛穴の開き皮脂分泌量が過剰になり、毛穴が押し広げられている状態
毛穴のたるみ加齢・外的刺激・筋肉の低下で肌のハリや弾力がなくなり、顔の肉がたるむことで、
毛穴も引っ張られている状態
毛穴の黒ずみ毛穴の皮脂が酸化して黒くなっている状態
毛穴の角栓詰まり毛穴の奥から過剰に分泌された皮脂や古い角質などの汚れが混ざり合い、
蓄積して栓のように毛穴を塞いでいる状態

ミルクピールをすることで、毛穴は改善されるのか


答えはYES
古い角質を取り除くことで、毛穴の角栓詰まりが解消され押し広げられていた毛穴が元に戻ることで、毛穴が目立たなくなります。
また、皮脂の分泌が正常に排出されるため、黒ずみもしにくくなります。
そして、ターンオーバーが正常化されることで、ハリや弾力を取り戻し、たるみ毛穴の改善も期待できます。

ニキビ


ニキビができる原因は皮脂分泌の増加、毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖が関係しています。
ニキビは皮脂腺が発達し、皮脂が多すぎたり、毛穴の出口が詰まったりすることで、毛穴の外に皮脂が出られずにたまってしまうことから始まります。
この状態を白ニキビや黒ニキビの「コメド(面ぽう)」と呼びます。
コメドの内部は、アクネ菌にとって発育に適した環境になっているので、コメドの中で菌はどんどん増えていきます。
増えすぎた菌に対応するために免疫が働いて炎症が起こり、ニキビは赤く腫れ上がっていきます。

ミルクピールをすることで、ニキビは改善されるのか


答えはYES
古い角質を取り除くことで、毛穴の出口が塞がれることがなくなり、皮脂も正常に排出されるため、コメドができにくくなります。
コメドができなければ、アクネ菌の増殖を防ぐことができ、赤く腫れたニキビや膿をもったニキビも防ぐことができます。
また、一定の殺菌作用を併せ持っているので、アクネ菌を減らして炎症発生の確率を下げることも期待できます。


しみ


しみとは、皮膚内で作られるメラニンという色素が沈着したもの。
メラニンはメラノサイトの中で、チロシンというアミノ酸から生成されます。
チロシンは、チロシナーゼと呼ばれる酵素の作用により、チロシンからメラニンへと変化していきます。
通常、メラニンはターンオーバーとともに剥がれ落ちていくものですが、紫外線などの刺激でメラニンが過剰に生成されたり、加齢など様々な要因で肌のターンオーバーが追いつかなくなると、排出されずに沈着してしまいます。

ミルクピールをすることで、しみは改善できるの?


答えはYES
肌のターンオーバーが促進されることによって、停滞しているメラニンが正常に排出されるようになります。
また、チロシナーゼの働きが抑制されることでしみの元であるメラニンそのものの生成を抑えてくれます。
そのため、くすみや色ムラ、これから表面に出てくるしみの予備軍には効果が期待できます。
また、できたばかりの薄いしみに対しても効果が出る可能性もあります。

ミルクピールをすることで、毛穴レスで、ニキビとは全く縁がなく、しみ一つない美肌になれそうですね!
ですが、残念ながら全ての症状を改善できるわけではありません。
それぞれの症状の程度によって、ミルクピールでは改善が難しい場合があります。
ではどのような場合には効かないのでしょうか。



ミルクピールでは効かない?


毛穴に効かない場合とは?


毛穴が詰まっていないのに開いている毛穴、ピーリングをしても改善しないたるみ毛穴、毛穴ではありませんがクレーターになっているニキビ跡です。
この状態は、肌の深い層である真皮層へ治療が必要です。
肌の構造は、表皮[角質層・顆粒層・有棘層・基底層]、真皮、皮下組織、筋層となっています。

ちなみに、ターンオーバーは表皮内で行われています。
表皮内に作用するだけでは、到底太刀打ちできない程の凹凸となってしまっている状態です。
そのため、肌を入れ替えるような真皮層へのアプローチができる「ダーマペン4」や「フラクショナルCO2レーザー」が効果的です。

「フラクショナルCO2レーザー」は、皮膚に微細のレーザー光を細かくドット状に照射することで、皮膚深部の真皮層まで無数の微細な穴をあけ効果的にコラーゲンを生成させ、創傷治癒効果により新しい肌に入れ替える治療です。
「ダーマペン4」は、髪の毛よりもさらに細い超極細針を使用し、表皮から真皮層に一時的に毎秒1920個の小さな穴を作り、肌の自然治癒力の働きにより、美肌に導く肌再生治療です。




ニキビに効かない場合とは?


炎症性のニキビ(別名:赤ニキビ)、膿を持っているニキビ(別名:黄ニキビ)が多い状態のニキビです。
早く炎症を落ち着かせることと、膿を出してあげる必要があります。
膿が溜まった状態だと炎症がより強くなり、炎症が強く長ければ長いほど、ニキビ跡も治りにくくなります。
この状態は、角質を軟化させ毛穴を詰まりにくくすること、殺菌して炎症を落ち着かせること、膿を出してあげる治療が必要です。
そのため「サリチル酸マクロゴールピーリング」「クリアタッチS」「CO2レーザー+圧出」で症状に合わせた組み合わせが効果的です。


「サリチル酸マクロゴールピーリング」は角質を軟化させ、毛穴を詰まりににくくするだけでなく、静菌性・殺菌性・光防護性や痒み止めといった特性も併せ持っているため、ニキビへ治療効果が高いケミカルピーリングといわれています。



「クリアタッチS」はニキビ専用の光治療器で、光の波長によってニキビ菌そのものを殺菌し皮脂腺を破壊、ニキビの赤みを抑え、約60℃の温熱効果によってニキビ菌を殺菌します。
クリアタッチS


「CO2レーザー」は肌の水分に反応して蒸散させることで削るレーザーで、ごく小さな穴をあけ、熱でニキビ菌を殺菌します。
その小さな穴から、専用の器具で膿を押し出します。
自分で潰すことと似ていますが、不清潔でかえって悪化させたり、ニキビ跡が大きく残ってしまうことがあるので注意が必要です。
フラクショナルCO2レーザー


しみに効かない場合とは?


「老人性色素斑」「脂漏性角化症」「ADM(真皮メラノサイトーシス)・太田母斑・扁平母斑」です。
一般的なしみと言われる「老人性色素斑」は、表面に現れてから時間が経過しているもの程難しいです。
表皮内に存在するメラニンの色素沈着であるため、ターンオーバーの垢となって消える可能性はあります。

しかし、ミルクピールによって薄くはなっても取れきれない可能性も十分あります。
この場合は、光治療器の「フォトシルクプラス」や「Qスイッチヤグレーザー」でメラニン色素を破壊することが必要です。
「脂漏性角化症」は肥厚しているため、肌の水分に反応して蒸散させ、削るような効果を得られる「CO2レーザー」で肥厚している部分を平らになるまで削ることが必要です。
「ADM(真皮メラノサイトーシス)・太田母斑・扁平母斑」などのしみに似ているあざは、色素が真皮内に存在しているためレーザーでなければ取れず、「Qスイッチヤグレーザー」で複数回の治療が必要です。

ミルクピール 価格


範囲料金
顔全体1回 9,900円
5回 44,550円


まとめ


ミルクピールは、どんな毛穴にも、どんなニキビにも、どんなしみにも効くような万能ピーリングではありません。
しかし、確実に美肌には欠かせない高い効果があることも事実!
求める肌はどんな肌なのか、それによって、ミルクピールだけで満足のいく肌を手に入れられるのか、他の治療も組み合わせた方が良いのか、効くもの・効かないものを理解した上で、ミルクピールを上手に取り入れられると良いですね!
とはいえ、自分に合っているピーリングや治療を決めることはとても難しいです。
肌の悩みを改善できる治療は何かを選択するには、やはり豊富な知識と経験が不可欠で、プロフェッショナルな医師に相談することが求める肌への一番の近道です。
当院の医師は、豊富な専門的知識はもちろん、美容皮膚科での15年以上経験年数と多くの症例数があるため、安心してご相談いただけます。

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