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ハイドロキノンは肌が黒くなる?濃くなる理由や対処法を解説!
2023年08月30日
表参道美容皮膚科 副院長
三宅 真紀 医師
監修
「お肌の漂白剤」と呼ばれるほど高い美白効果があるハイドロキノン。
しかし、間違った使い方をしてしまうと、皮膚の一部が白く抜ける「白斑」や、逆に肌が黒くなってしまう「組織黒変症(Ochronosis)」を生じるリスクがあります。
この記事では、ハイドロキノンの正しい使用方法や注意点をわかりやすく解説していきます。
正しい知識を身につけて、ハイドロキノンで美肌を手に入れましょう。
ハイドロキノンとは
ハイドロキノンとは、イチゴやコーヒー、紅茶といった食品にも含まれる「ヒドロキノン」という天然の化合物が主成分の薬です。ハイドロキノンは「お肌の漂白剤」と呼ばれるほど高い美白効果があり、その美白効果はコウジ酸やアルブチンの数十倍から百倍と言われています。
シミの原因であるメラニン色素の合成を阻止する働きがあり、しみやそばかす、ニキビ跡の色素沈着などにも効果があります。
ハイドロキノンの働きと効果
ハイドロキノンは、シミの原因であるメラニンの生成に不可欠な「チロシナーゼ」という酵素の働きを阻害するだけでなく、メラニン色素を生成するメラノサイトを破壊・減少させることで、新しくできるシミを予防する効果があります。
さらにメラニンを還元する作用によって、今あるシミを薄くする効果もあるとても優秀な美白成分です。
シミ
ハイドロキノンの効果があるシミの症状
ハイドロキノンの効果が高いと言われているしみの種類を紹介します。
ハイドロキノンの使用が適しているしみ
・老人性色素斑(加齢や紫外線が原因のしみ)
・肝斑(30~40代で発症する、目の下から頬にかけて左右対称にできるしみ)
・炎症性色素沈着(ニキビ跡、レーザー治療後の色素沈着)
これらは比較的、皮膚の浅い部分に存在するシミでありハイドロキノンが有効です。
遺伝的な要因が大きいそばかすは、ハイドロキノンで一時的に症状が改善したとしても再発リスクがあり十分に治療できない可能性があります。
また、ADMや盛り上がりのあるしみである脂漏性角化症は、基本的にレーザーを使った治療が一般的となります。
ニキビ・ニキビ跡
ニキビができると炎症によって刺激を受けたメラノサイトが活性化し、大量のメラニンを生成します。
生成されたメラニンが肌に残り茶色いシミのような色素沈着を引き起こします。
ハイドロキノンはメラニンの生成を阻害するため、この色素沈着によるニキビ跡を改善する効果があります。
トレチノインを併用すると効果アップ
トレチノインはビタミンAの誘導体で、塗布することで肌のターンオーバーを促進することができます。
ハイドロキノンは単体の使用だと肌への浸透率が低いですが、トレチノインと併用することで浸透効果を上げられます。
「トレチノイン・ハイドロキノン療法」とも呼ばれ、シミの改善・美肌を目指します。
関連記事
トレチノインの働きと効果について解説!ハイドロキノンとの併用がおすすめ!
ハイドロキノンで肌が黒くなる?濃くなる理由は?
ハイドロキノンで肌が黒くなる理由
ハイドロキノンは細胞毒性を持つため、濃度が高くなるほど刺激が強く、赤みや痒み、ヒリヒリ感などの症状が起こりやすくなります。欧米では低濃度のハイドロキノンの長期使用により肌が黒くなってしまう「外因性組織黒変症(Ochronosis)」が報告されています。
しかしこのような症状は、クリニックから処方されたハイドロキノンを正しく使用すれば起こりませんので、ご安心ください。基本的にハイドロキノンは、5〜6ヶ月塗布したら、休薬期間を設けるのが一般的です。
医師の指示を守り適切な使用を心がけましょう。
ハイドロキノンで逆にしみが濃くなった?原因は「紫外線」
ハイドロキノンを塗布した部位に紫外線を浴びると、シミや色素沈着が逆に濃くなる可能性があります。
ハイドロキノンの塗布によってメラニンが失われた状態のお肌はとてもデリケートです。
そのため強い紫外線を浴びてしまうことにより、逆にしみが濃くなってしまうことがあります。
そのため、ハイドロキノン使用期間中には徹底した紫外線対策が重要となります。
日焼け止めを適宜使用し、日傘を併用するなどしてお肌を守りましょう。
肌が黒くなったときの対処法
ハイドロキノンを使用していて「肌やシミが濃くなってきた・・」と異変を感じることがあれば使用を中断し、早めに医師の診察を受けましょう。
ほとんどの場合、症状は一時的なもので数ヶ月単位かけて改善していくことが多いです。
シミが濃くなった原因を突き止め、少しでも症状を早く改善していくためにも医療機関で適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
ハイドロキノンの副作用と対策
ハイドロキノンは、美白効果が高い一方、刺激が強いため赤みやかぶれ・ヒリヒリ感などの副作用が出ることがあります。
ほとんどの方は1〜2週間を目安に肌が慣れ、少しづつ症状が落ち着いていきます。
しかし中には、ハイドロキノンそのものが肌に合わない場合もあり、塗った直後や翌日に症状が出たら、アレルギー反応が出ている可能性もあるため使用を中断しクリニックに相談しましょう。
さらに濃度5%以上のハイドロキノンを使用するときにはより注意が必要です。
高濃度のハイドロキノンを長期的に使用することで、肌が白く色抜けしてしまう「白斑」を引き起こしてしまうことがごく稀にあります。
しかし、日本のクリニックで処方されるハイドロキノンは、基本的に濃度4%以下なので、ハイドロキノンの使用法を守っている限りは白斑が起こる可能性は限りなく低いのでご安心ください。
関連記事
ハイドロキノンはシミに効果的!使用方法や副作用・発がん性などの注意点を解説!
ハイドロキノンを高濃度で配合した「OBC HQクリーム」
表参道美容皮膚科では、当院の医師が開発したオリジナル化粧品『OBC HQクリーム』をご用意しています。
ハイドロキノンを4%配合しており、透明感のある明るい肌へと導きます。
医療機関で処方されたハイドロキノンは局所的に使用するものがほとんどですが、『OBC HQクリーム』はお顔全体に使用できる肌に優しい処方となっています。
防腐剤(パラベン)、石油系界面活性剤不使用、無香料、無着色、無鉱物油であるため、敏感肌の方でも安心して使用していただくことができます。
一般的にハイドロキノンは、デリケートな性質のためすぐに変色してしまったり取り扱いが難しい成分とされています。『OBC HQクリーム』は特殊な処方により、ハイドロキノンの働きはそのままに、冷蔵保存なしでお使いいただけます。
さらに医療機関で処方されるハイドロキノンは使用期限が約1ヶ月と短いものが多くありますが、『OBC HQクリーム』は一般的な化粧品と同じように長くご使用いただけるのも特徴です。
OBC HQクリームを詳しくみる
OBC HQクリームの使い方
ハイドロキノンは、基本的に1日1回夜の洗顔後に使用することが推奨されています。
改善したいお肌の状態により容量は異なりますが、一般的な使い方は次のとおりです。
使い方
1. クレンジング・洗顔をし、顔全体を化粧水で保湿する
2. トレチノインを併用する場合には、トレチノインを患部に塗り込む
3.トレチノイン浸透後(10~15分後)、ハイドロキノンを患部より少し広めに塗り込む
(トレチノインを広げないように、外側から内側に向けて塗ってください)
※ハイドロキノンを使い始める場合、特にアレルギー体質の方や敏感肌の方はパッチテストをすることをおすすめします。
初めて使用する際は腕などの目立たない部位に塗り、1日経ってもかぶれていないことを確かめてから使用するようにしましょう。
※ハイドロキノンは、光や熱によって変性しやすい成分です。
冷暗所に保存するようにし、開封後は早めに使用するようにしましょう。
※皮膚の薄い部分(目の周りや口の周り)のご使用はお控えください。
OBC HQクリームを詳しくみる
ハイドロキノンの注意点
ハイドロキノンは、強い紫外線を浴びることで、色素沈着を起こす場合があり、かえってシミが濃くなってしまう可能性があります。使用するのは夜のみとし、外出の際には紫外線対策を徹底しましょう。
酸化して変色したハイドロキノンは肌トラブルを引き起こす可能性があるので使用しないよう注意してください。
保管方法につきましては、ハイドロキノンを購入したクリニックの指示を守るようにしましょう。
また、妊娠中や授乳中の方、妊娠の可能性がある方は、ハイドロキノンを使用することができませんのでご注意ください。
ハイドロキノンを使った美白治療は、症状によっても異なりますが、おおよそ2〜3カ月で効果が現れるといわれています。
5カ月近くかかっても症状が改善しない場合は休薬期間を設け、肌を休ませてから医師の指示に従い治療を再開しましょう。
ホームケアとしてはとても優秀な美白剤であるハイドロキノンですが、完全にしみを除去するのは難しい場合が多いです。
即効性や確実性を求めるのであれば、シミ取りレーザーや光治療を選択するといいでしょう。
いずれもその時のしみやお肌の状況によって、最適な治療方法が異なりますので、かかりつけのクリニックまで是非ご相談ください。
まとめ
ハイドロキノンは医療機関の処方薬だけでなく、市販されているクリームや美容液にも含まれている場合があります。
しかし市販される化粧品に含まれるハイドロキノンの濃度は厚生労働省によって制限されているため、肌の状態によっては改善効果が実感できない可能性があります。
一方で、通販サイトには海外輸入品など定められた濃度を大きく超えるハイドロキノンが含まれている商品も存在します。
高濃度のハイドロキノンによって肌トラブルを引き起こす可能性があるため、安全のためにも医療機関で適切なハイドロキノンを処方してもらうことをおすすめします。
医療機関でハイドロキノンを処方してもらえば使い方や副作用に関する詳しい説明も受けることができ、万が一皮膚トラブルが生じた場合にもすぐに医師に相談することができます。
ハイドロキノンは正しく使用すれば安全な薬ですので、正しい知識をもち医師の指示を守った上で適切な使用を心がけましょう。
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